勘違いという恋の駆け引き



寝室に戻った私は
優さんの着替えを出そうとクローゼットへと向かったが
一瞬だけど、部屋を出たこともあり
優さんの顔を覗き込んだ



『っ!ゆ、優さん!?』


先ほどまで、熱のせいで赤い顔をしていた優さんの顔は
真っ青で血の気が引いている顔をしていた


何があったの?
慌てて優さんに声を掛けるが
全く反応がない
ただ事じゃない、


すぐリビングへ行き、携帯を手にする



『急いで来てくださいっ!ーーー』



何を伝えたか
ちゃんと伝わったか、なんてわからない
それくらい必死だった





「藍っ!!」


どのくらい時間が経ったのか、
救急の待合室から少し離れた廊下のベンチに座っていた私
スーツ姿に急いで来たのがわかる乱れた髪

一人心細かった私は
絢斗の姿を見るなり
ベンチから立ち上がり駆け寄った