ドアノブから剥がされた手は
優さんに握られ、そのまま抱きしめるように腕が身体に巻きつく


「……やっぱり無理。俺の中で藍と離れるなんて出来ない。俺の女になってよ」



なんで…?
どうして、そんなに弱々しいの?
いつもみたいに俺様な言い方してよ
そうしなきゃ、嫌なものも
嫌だと言えなくなっちゃう



優さんの手がゆっくり動き
私の身体を反転させた
優さんと目が合った瞬間
今までにない感覚が身体に走った


『ゆ…ゆぅ、さん…』


目の前にいる優さん
鼻が触れるか触れない距離


「俺の女になるって言って言わないと、ーーキス、するよ?」


『な、なにをっ…』


何を言ってるんですか?と言いたかったが少しだけ、また距離が近づいた気がした
これは冗談ではない
それに気がついた私は
優さんの熱い眼差しに根負けし
小さく頷いた