勘違いという恋の駆け引き



ようやく止まった
呼吸を身体全体でする
息が上がり
できれば今すぐに水を飲みたい

いつの間にか離された手
やっと息が整い
顔を上げれば
いたはずの優さんがどこにもいない
辺りを見渡すが見当たらない

っていうか、ここはどこ?
人が行き交う中
優さんはぶつかないように
走り抜けていたけど
いつの間にか人もまばら


私が踏み入れない地域だ
どうしようかと考えていたら
藍ちゃん、と後ろから声がかかる
振り返えれば
私をここまで連れてきた本人

あれだけ早く走ってきたのにも関わらず
汗ひとつかいていない
相変わらず爽やかな笑顔で
手招きしている


優さんがひょっこり顔を出したのは
一軒のレストラン
隠れ家的なものだろうか
看板はあるものの
しっかり看板を見ないとわからないだろう