勘違いという恋の駆け引き



「時間が合わないから、先に行ってきた」


悪びれるそぶりもなく
優はネクタイを緩めながら言う
まだ一緒に暮らしてはいないが
早くあがれる日は
少ない時間を共有している


『そういうことは先に言ってよ!いろいろ聞かれて困っちゃったよ』


そう言いながら
テーブルにオムライスを置いた
いただきます、と両手を合わせてから
スプーンを取る



「何が困るんだ?一緒に暮らすのにおばさん達に言わなきゃダメだろ?」


…そ、そうだけど
母に質問攻めをされたが
私の質問には全く答えてくれず
優が何を言ったのか聞けなかった
私が黙っていると
オムライスをスプーンですくう


「…悪かったよ、勝手に行って。けど俺は本気だから。次の休みに、二人でまた来なさいって言われた」



うん、聞いたよ
お母さんが張り切っていたもん
まだ結婚はしない

それはわかってるけど
けど、これはこれで…嬉しい