冷たい彼の愛する人は世界最強美少女でした。

────空夜side

ガタン!

「...あ?」
「っ、な、んの音...?」
誰か、いるのか...?
...チッ、萎えた。
「ぇ、く、空夜...?」
「帰れ。萎えた。どけ。」
「っ、酷い...。」
酷いなんて知るかよ。俺は萎えたんだよ。
邪魔なんだよ、ブス。
「...また、来るからね♡」
オエ、気持ち悪ぃ。何だ最後のハートは。
もう来なくていいわ。
さっさとどっか行け。
その女が出ていくのを見送った後に音の鳴った方へ行ってみる。
「...こっから音したよな。」
はぁ、誰だよ、めんどくせぇな。
俺は意を決してドアを開けた。
「...あ?」
人...?
つか、コイツって
「確か、碧羽凪葵...」
男を振りまくってるって有名な女。
何でこんなとこで倒れてんだコイツ。
「っ、はぁ、」
相変わらず綺麗な顔してんな、この女。
モテんのに何で付き合わねぇんだ?
変な女だな。
呑気にそんな事を考えてる俺の方が変な奴だな。
「中に入れればいいか。」
俺はこの女を所謂お姫様抱っことかいう奴で持った。
......コイツ軽すぎねぇか。
何食って生きてんのコイツ。
「はっ、はぁ、」
取り敢えず、ベッドに寝かせた。
「苦しそうだな。」
至極めんどくせぇ筈なのに、そんな考えは無かった。
やっぱ、変なのは俺だな。
今日は可笑しいんだ。
こんな女の世話しようと考えてる時点で可笑しすぎる。
つってもさ...
「どうしろってんだよ。」
その時、丁度いいタイミングで誰か入ってきた。
「あれ、空夜何してんの?」
「戀...」
そういや、自己紹介がまだだったな。