────凪葵side


「んー...。」
あぁ。眠い。
てか、今何時だよ...。
「んぁ...8時......?」
...あっはー。遅刻確定じゃん。ウケる。まじかよ。
だる。学校、かぁ。行きたくないわー。
「はぁ...。」
あ、あたしは碧羽凪葵_Aoba Nagi_。
高校一年生ですよ。一応ね。
んで、学校大嫌い。だってつまんないからね。あんなとこ。だから、学校行ってもずっと寝てる。まぁ、校則とかもゆるすぎるから自由なんだけど。
って、そんな事は置いとこうか。取り敢えず、学校の支度しなきゃだな。
「はぁ...。めんど。」
制服に着替え、朝御飯も食べずに家を出る。何で食べないかって?朝御飯食べると気持ち悪くなるんだよ。
一回だけ、朝御飯食べて、食べた物全部出した事があるんだ。それからはずっと朝は食べてない。
あ、学校着いた。
「うわ...最悪......。」
校門の前には男子が群がってる。
ここで一つだけ言っておく。あたしは男が大の嫌いだ。昔いろいろあってから、触られるのもダメになった。...まぁ、その話は後々していくよ。
...朝からあの男子の中を通るの...?
「嘘だろ...。」
帰りたい。もう、ちょっと無理だって。あれは。
半ば諦めながら男子達の中を通ろうと思った時だった。
「ほらほら、お前らそこ退けー。」
なんて声が後ろから聞こえた。声が低かったから、多分、男の声だな。
目を少しだけ後ろに向けてみる。
やっぱそこにいたのは男で。
「...チッ。」
あ、ついつい舌打ちが出てしまった。
この、すぐに舌打ちが出るの癖だな。直さなきゃ。
そんな事を思っていたらいきなり肩を掴まれた。
「ッ...!」
あたしはすぐさまその男の腕を振り払った。
バシンっと、乾いた音がした。
「えっ、ちょっ...!」
なんて声が聞こえた気がしたけど、そんな声は無視してさっさと学校の中に入っていった。











桜の花びらが舞う季節。
それが、あいつとの出逢いだった。