矢田月音の部屋だろう。
中はピンクと白で統一されている。
凄くオシャレだ…。
まるで…。
「亜美咲ちゃんの部屋みたいでしょ?」
心を読み取ったように矢田月音が言う。
「私、亜美咲ちゃんに憧れてたんだ〜。
でも亜美咲ちゃんにはなれない。
明るくて、笑顔で、スタイルが良くって、人望もあって…。
そんな素敵な亜美咲ちゃんにはなれなかった」
何言ってるんだコイツは…。
他人になるなんて不可能だろう。
普通に考えておかしいだろ。
こんなやつだとは思わなかった。
「だからこうやって亜美咲ちゃんに近づけるように真似してるの。
高校も亜美咲ちゃんと同じファッション科に入って、勉強も沢山した。
おかげで入試も亜美咲ちゃんに余裕で勝って、二位でこの学校に入れたよ」
私がトップで入った。
学校のパソコンにウイルスいれたら、一位と二位の差はあまり無かったが、二位と三位の差はかなりあった。
相当賢いだろう。
それで、矢田月音は…。
本当に何が言いたい?
「亜美咲ちゃんになれなかった私はね、ある行動に出たの。
なんだと思う?」
「何って…」
「亜美咲ちゃんをおもちゃ道具にした。
が、正解でしたー!!」
「は……?」
矢田月音のことは病院の時から妙に思っていたが、このことか…。