「あれさっきの…子?」

「どうしたの~?
そんなに怒った顔しちゃって…ウッ……」

畑中優希が男を刺した。

その隙に中西乃々華がもう一人の男も刺した。

心臓ひとつき。

いいところ狙うね。

だが、それでも怒りは収まらず、五分間くらい指し続けた。


「ふぇぁ~、今日はぁぁ~楽しくぁったねぇ~♪」

酔っぱらいが四、五人歩いてきた。

作戦変更。

ここら辺は監視カメラが全くないから何をしても目立たない。

「「ギャーーーーーーーー!!!!!」」

やっぱり。

酔っぱらいも刺されたのだろう。

チラッと覗くと、そこはまさに血の海。

二人とも、我に返ったようだ。

「ど、どうしよう…」

「どうしようって逃げるしかないでしょ…!!」

逃げられちゃまずいって。

「ちょーっと待ったー!」

フフフ、本当にこいつら馬鹿だ。

「''取り引き''って意味わかる?
私はお前らに良いことしたけどさ、お前らなんもしてないんだけど」

「な、何をすれば……?」

「……フフフフフフ…アッハッハッハ!!!」

「何よ…気持ち悪い……!!」


お前らが一番気持ち悪い…。

ってのはこらえて、『何をすれば……?』ってそんなの決まってんじゃん。