二人は目を見開いて私を見る。
普段みんなの前でんな喋り方は勿論しないし、私がここにいる事に驚いているんだろう。
「私がたまたま駅前の喫茶店にいたらラブホからあなた達が出てきたの見えてさ。男達は喫茶店に入ってきて、聞こえちゃったんだ。
『俺らHIVだからもうこの先ないし、ヤれるだけヤッとこうぜ』ってね」
私はさっき、中西乃々華と畑中優希にメールを送った。
送信者はあの男達のメアドから。
メアドのハッキングなんて余裕。
《俺らHIVだよ~♪》
こんな単純なメールを送っただけで信じるなんて。
嘘に決まってんじゃん。
「てことで、ここでビッグチャーンス!
取り引きをしたいと思いま~す!」
ウフフフフ、これならあなた達ものるはず。
「あの男達のこと殺したいでしょ?
ここに呼んであるからさ、これで殺りなよ?」
私はスタンガンとバタフライナイフを渡した。
「こ、こんなもので殺せるの…?」
「勿論、殺傷能力を上げるために良いもの買ったんだからさ。
あと三分くらいで来ると思うよ」
一応、あの男達にも盗聴器と発信機をつけておいた。
二人は決心したように顔を変えた。
「もし、力で負けそうならそこから落とせばいいからさ」
ウフフフフフフ。
そろそろだ。
私は隠れて見てよーっと。

