先輩、わたしじゃダメですか?




ついに、試合当日になった。



「俺、夏澄の為に頑張るから。」



昨日の練習後、そう言ってくれた広斗先輩の言葉が、頭の中で繰り返される。



今日の試合、勝てる気しかしない。


だって、みんな絶好調なんだもの。




「あ、夏澄ちゃん、これから試合?」


「今池さん…」


やば、
返事をしなきゃいけないのはわかってたけど、あれから一切連絡してない。


断るだけだけど、連絡1つが広斗先輩に申し訳なくて、しなかった。



「返事、考えてくれた?」


「はい。…ごめんなさい。わたし、広斗先輩と付き合うことになりまして…」


「うん、だと思った。
なんか夏澄ちゃん雰囲気変わったもん。」


「…そうですか?」


「はぁ…これじゃ俺かませ犬みたいじゃん。笑える…」


そう言って、一瞬悔しそうに顔を歪ませるも、すぐに笑顔に戻った。



「…ま、いーや。今日ちゃんと勝ち残れよ?そしたらウチが対戦相手だ。コテンパンにしてやるから覚悟しといてね?」


「負けませんから。広斗先輩、絶好調ですし。」


「俺を振ったこと、後悔させてあげる。
…じゃーね!」



今池さんは手を軽く振りながら行ってしまった。