そして試合開始。
みんな積極的に責めるものの、広斗先輩は動きが遅れているように見えた。
友香ちゃんにフラれたショックでなのだろうか。
こんな調子じゃ、負けちゃうよ…
「広斗くん…」
隣で試合を見ている友香ちゃんの目は広斗先輩を追っていた。
「友香ちゃん…広斗先輩のこと、なんでフったの?」
「えっ?」
「広斗先輩、全然身が入ってない。
あんな風になったの、友香ちゃんがフったからだよね?」
「ごめん…でも、私、広斗くんには申し訳ないことしたって思ってる…」
「わたし、友香ちゃんのせいで哀しい顔してる広斗先輩見たくない。
友香ちゃんには言ってなかったけど、わたし、広斗先輩のこと好きだから。」
強めの口調で言った。
だけど、心臓はバクバクしてる。
「うそっ…ごめん…私、夏澄の気持ち知らないでっ…」
「いいの。それは本当に気にしないで?
だけど、広斗先輩には笑ってて欲しい。
友香ちゃんが本当に広斗先輩が好きなら付き合っててもいいの。でも、悲しませることだけはして欲しくない。」
半分は見栄。
半分は本音。

