満月の夜に優しい甘噛みを

そう言って私の横を通り過ぎた爽河くんが何か思い出したかのように立ち止まった。

「あ。」

「・・・どうしたの?」

「何か変なことされたら俺に言いなよ!

曖來ちゃん。」

(それは爽河くんもでしょ・・・。)

そう思いながらも私は笑顔で頷いた。

私が凛叶の病室に入ったのは20時。

親には友達が入院したからそのお見舞で遅くなるとは言っている。

私は意を決して病室のドアを開ける。

ガラッ・・・