「璃子〜こっちよ」
ホテルのロビーに入ると、待ってましたかのように母が私を見つけ、駆け寄ってきた。
「ちゃんと時間通りに来てくれて嬉しいわ。まぁ璃子、今日のあなたとっても素敵じゃない!」
「ありがとう。普段こんな場所なんか来ないから、かなり服装に困っちゃったけどね」
悩んだ末、とりあえず紺色ベースの花柄ワンピースにした。
上には白色のジャケットを羽織り、ワンピースの中心には今年トレンドのサッシュベルトをつけた。
ピアスは控え目に小ぶりのパールにして上品にすれば、思いの外満足のいくコーデが完成したと思う。
「さすがカリスマ店員、こんなことなら私のコーディネートもあなたにやってもらえばよかったわよ」
「何言ってるのよ、気持ち悪い。お母さんだって今日は何だかとっても決めてるじゃない」
「そう?」
そんな服持ってたっけ?というぐらい今日は完璧に決めている。
それにやたら機嫌もいいし。
まぁ、場所が場所だけに母も今日は気合いを入れたのかもしれないけれど。



