そんなことを考えていると、少しの沈黙の後で再び母が口を開いた。
「でも以外ねぇ、璃子ったら急に驚くじゃない。あなたにそんな人がいたなんて…。今までそんな素振りをまったく見せなかったのに。……まぁ、でもそうね。そうだったらもっと早く言ってくれたら良かったかったのに」
そんな返しに当然目を丸くしたのは璃子の方だった。
お、お母さん?
思ってもみない言葉だった。
母は急に態度を柔らかくし、緩やかな表情に変わったと思ったら、璃子にやんわりと言葉を繋いでくる。
「そんないい人がいたならちゃんと教えて欲しかったわよ。あなたったらいつも肝心なことを言わないんだから」
「…お母さ……」
「あなたの気持ちはよく分かったわ。ちゃんと素直に話してくれてありがとう。とても嬉しいわ」
「…じゃあ……」
璃子は目を輝かせる。
これって分かってくれたの?
お見合いはしなくていいってこと?無しにしてくれるの?
璃子は期待を膨らませ、目の前の母親に向かって目をキラキラと光らせる。



