「では、好きですか?」
「えっ?」
「僕のこと好きですか?」
その言葉に璃子は再び言葉を失った。
まさに直球。水嶋の瞳が急に真剣さをみせるから、不意を突かれたように心臓が大きく波を打つ。
「…えっと……」
「ふっ、すみません。少し意地悪な言い方でしたね。今のは冗談なので気にしないでください」
水嶋がにこりと笑う。
何だか楽しそうな雰囲気だ。
動揺する璃子に対して、口元をやんわりと緩めてくる姿はいつもと同じ。いつも見ていた穏やかな水嶋のはずなのに、内心璃子はパニック状態だ。
「あ、の……」
そんな水嶋を見つめながら璃子は思った。
それなのに、今日の彼は何だかいつもとは違う気がする、と。
それは璃子の勘違いなのか、それとも他の何か…
「仁科さん」
「…はい……」
「僕は何も変わりませんよ。例えこうして立場が変わったとしても僕達は今まで通り。
僕は璃子さんが好きです。あなたを好きになりました。
できれば僕と、こんな僕でよかったらお付き合いしてもらえたら嬉しいんですが」



