「まぁ、どうせ別れるなら早いほうがいいわよ。幸いまだ子供はいないし、できれば可能な限り浮気の証拠を沢山集めときなさい。こっちが有利になるように」
「ん、分かった…」
祐子は今回ばかりは素直に頷く。
見れば全身身に付けてるブランド物の数々は、きっと浮気がバレた時のお兄さんの罪滅ぼしなのだろう。
以前会った時よりも確実に派手になった姉を見ればなんとなく想像ができる。
そんな痛い会話の中、脳裏に浮かんだのはやっぱり水嶋のこと。
あの優しい水嶋さんも本当は女性にはだらしないのだろうか?
無論、金持ちが皆そうとは限らない。
中にはきっと誠実な人もいる。家族思いの人もいるだろう。
それは璃子だって十分分かってる。分かってはいるんだけど…
「もう、こうなったら璃子だけが私の望みだからね」
「……えっ?」
「お願いだからあなただけはまともな結婚をしてちょうだい。幸せな家庭を築いてちょうだいね」
「そうね。璃子にもし結婚したい相手ができたら姉のこの私がしっかり見極めてあげる。
この男は信頼できるかどうか、私が徹底的に判断してあげるからさ」



