と思いかけたその時、そんな璃子の思いに更に追い討ちをかける人物が突然荒々しく帰ってきた。
「ただいまー、ちょっとお母さん聞いてよー!!」
姉の祐子である。
祐子は帰るなり、持っていたブランドのバッグを乱暴にソファーに投げ捨て、食事中の母にガシガシと詰め寄ってくる。
「もう信じらんない!マジ最悪!!」
祐子はかなりご立腹な様子だ。
向かいに座る璃子には気付かないほど、怒りの蒸気を噴火させている。
そんな中、璃子は今しがた投げ捨てられたエルメスのバーキンを哀れな気持ちで見つめていた。
買えば数百万の品物。
今の璃子からしたら絶対に手の届かない高価な品物だ。
それがよれよれになり、ソファーの上で息絶えている。
使う人が使えばこんな風に色褪せて見えるのねぇ。
璃子は若干苦笑いを浮かべながらため息を吐き、再び母と祐子の方へと向き直った。
「何よ、また不倫でもしたの?」
「そうなの!祐樹のやつ、また私に隠れて不倫旅行に行ってたの!」
くぅ〜、悔しい!と祐子の叫びが中を舞う。
「だから金持ちなんてやめなさいって言ったじゃない。これで何回目よ」
「3回目!この3ヶ月で3回よ!?何なのあいつ、毎月毎月バカの一つ覚えじゃあるまいし、あのチャラ男、性欲マシンガンが!!」



