別れる際、親権問題で揉めたらしいが母が勝利。
姉と私も母に付いていくと断言し、負けを認めた父に成人するまで養育費もきちんと払ってもらっていた。
そんな環境の中母の口癖はいつもこうだった。
「金持ちなんてろくなもんじゃないわ。自己中心的で遊び人ばっかり…」
私や姉に口酸っぱく言い、
「いい、あなた達は絶対変な男に引っ掛かってはダメよ。間違っても外見や権力に惑わされないこと!
男はハートよ。ちゃんと中身をじっくり見て付き合いなさい」
だった。
そんな教訓まがいの台詞が幼い頃から植え付けられれば璃子じゃなくても、誰でも金持ちという存在に警戒心を抱くはずだ。
そのせいもあり、璃子は昔から目立つ人、金持ちという存在の相手には人一倍近付かないように生きてきた。
平凡が一番。
揉め事なんて大嫌い。
ただ、小さな喜びと幸せの中生きていきたい。
それなのに、人生はなんて厄介でひねくれてるのだろう…



