☆お見舞いに来てください☆


先生が優しく背中を撫でる。
そして言い聞かせるように言葉を繋ぐ。


「むしろプレッシャーになってたかもしれないよね。俺が暴走し過ぎたせいでごめん…」

「や、せ、先生が謝ることじゃないです!そもそも私がはっきりしないからっ」

「正直ね。俺も結婚が絶対だとは思っていないんだ。だから未来ちゃんの気持ちも分かるとこもある。ほら、俺も一度失敗してるしね。色んな意味で現実はしっかり見てるつもりだから」

「…でも……」

「きっと未来ちゃんもちゃんと現実を分かってるんじゃない?結婚がゴールじゃないって。結婚は夢物語じゃない。今ある生活の延長戦だって。決して特別なことじゃないってどこかで認識しているんだよ」

「だから慎重になっちゃうんじゃないの?」と聞かれ私は嘘でも違うと否定できなかった。むしろ納得するところがあった。


「…かも、しれません……」


だから遠慮がちに頷いた。
過去の生い立ちのせいなのなか、私にとって結婚はあまりキラキラしたものに思えなかったから。


「それでいいよ。それが未来ちゃんらしいというか。むしろ俺は未来ちゃんのそういう慎重のところ好きかもね。足が地についてて好感が持てるかもしれない。
正直さっきの水川さんのように相手のことをよく知らないまま勢いで結婚を迫られる方がきっと難しいかもしれない」


先生はそう言って一度私の体を離した。
そして愛しむような眼差しを向けてくる。


「だから安心していいよ。他の人がどうであれ俺達は俺達のペースでゆっくりいこう。まずはお互いの気持ちが大切だからね」