先生が電話を終えること約5分。
「個室の予約取れたよ。このあと早速ランチしに行こっか」
まさかの展開に頭がすぐに回らなかった。
取れたよって何処に?まさか今しがた見てたお店じゃないよね?
だけど先生の返事はそのまさかまさかなものだった。
「実はこの店のオーナーと昔からの友達なんだ。だからけっこう融通がきくんだよ。せっかくだから目で見て食べたいと思ったものをすぐに食べなきゃね」
「………」
絶句だった。でもすごい。
だってあのお店だよ。通常予約はなく、いつも行列ができて数時間前から並ばないと駄目だって、今テレビでも言って…
「あれ?何かまずかった?」
「いえ、むしろ感動中です。嬉しすぎて反応に困ってます」
「なんだ…」
さっきから瞬きしかできない私に先生は一瞬心配そうな顔をしたものの、すぐに満足そうに微笑んだ。
「未来ちゃんが喜んでくれるならこれくらい朝飯前だよ。俺も満足だから」
腰が砕けそうな表情でそう言って、彼は私の体を引き寄せた。
密着する体に一瞬ドキリとし、思わず目を見張る。
「未来ちゃんが喜ぶことなら何でもしてあげる。可愛い彼女のためなら尚更ね」
耳元で囁かれ、「え?」と目を見合わせたけどすぐに口を塞がれた。
先生のあったかい熱が今度は口から注がれる。
「だから先に未来ちゃんを食べていい?俺にご褒美くれる?」



