そこから何も言えなくなった。
先生の唇が熱い…
熱くて熱くて、咄嗟に彼の背中に強くしがみつく。
それから何度もお互いの気持ちを確かめ合うようにキスをした。というより求められた。
だって先生が離してくれなかった。
ちゅっ、くちゅりと艶かしい音が響き、私の理性を削りとっていく。
「せん、せ……」
「……ん、もう少しだけね」
苦しいと訴えかけたかったのに、深く舌まで入ってきた。
甘く絡み付いてそのうえ吸われて彼の思うまま。
気持ちいいけど、嬉しいけど。このまま暴走されそうでちょっと身構える。
だけど先生はお構い無しに私の首筋にまで唇を落としてきた。
ビクンと体が跳ねて「あ…」と声が漏れる。
だから気付けなかった。
歩み寄る足音に警戒すらしていなかった。
コンコン……
ドアがノックされた時、ようやくここで私はハッと我に返る。
「先生、いらっしゃいますか?そろそろお時間ですが…」
看護婦の声に、一気に顔が青ざめる。
そうだ、ここはまだ病院…
だけど先生はそんな私とは対照的に焦った様子もなく、冷静な態度でその場をやり過ごした。
「ああ、今行くから」
そう言ってドアが開かないことをいいことに、私に向かってにこりと笑う。
「やっと俺のものだ」
そして看護婦の足音が去っていくのを聞き届けると、あろうことかまたしてもほっぺたにキスをした。
「続きは今日の夜にね」
もう離さないから。と驚かせて私の頭を撫でた。



