一瞬二人の間に沈黙があったけど、たちまち先生に抱き締められた。
もう何度も味わってきた温もりが私を包み込み、彼の感極まわった声がする。
「本当に?」
「本当…です」
「やばい、今なら嬉しすぎて死ねるかも」
「し、死んじゃ……ダメです」
思わず真面目に返しちゃったけど、先生はそれ以上に舞い上がり、素直でおかしなことを口走る。
「死にたくはないけど、死ねる」
くすり、とまた一つ我慢できずに笑ってしまった。
先生の言いたいことは分かる。たぶん私も同じ気持ちだから。
「でもダメです。私が寂しいから」
先生の背中に手を添えた。
素直に、甘えるよう広い胸に顔を寄せると先生が息を飲むのが分かった。
あ…、と思うほど心臓の動きが早いけど、それを上回るほどに強く抱きすくめられた。
「もう何回でも言いたい」
「え?」
「未来ちゃんが好きだ」
「あ……はい」
「俺と付き合って欲しい。正式に俺の彼女になってくれる?」
先生はすぐにまた力を緩め、少しだけ私を離した。
それに気付きそっと顔を上げる。そこにはいつになく真剣な眼差しの彼と視線がぶつかり合う。



