「未来ちゃん…」
「………」
どうしよう、どうしようと思うのに声が出ない。
ちゃんと言わなきゃ。誤解を解かなきゃとそう思うのに震える唇から出たのはとても曖昧な言葉。
「中嶋さんとは何もない…です。さっきも話してた通り昔からの知り合いで、前から面識があって……」
違う。こんな言い方をしたい訳じゃない。
これじゃあ何も伝わらない。
ちゃんと話さなきゃ。そう思うのに。
「ほら、中嶋さんとは年だって離れてるし…」
そう、中嶋さんは自分の親ぐらいの年齢だ。
実際の年は知らないけれど、私とは20以上も年上なわけで、さすがに恋愛の対称として見るのは難しい。
「だから……」
「好きになるのに年の差なんて関係ないよ」
そう思ってるのは私だけみたい。
先生の言い分にも一理ある。でもそれは違う。
背中から先生の不安がひしひしと伝わってくる。どうしよう……。
返答に困っていると、痺れを切らした先生が突然私の向きを正面に変えた。
「ーーー」
その瞬間息が止まるかと思った。
先生と向かい合った私は彼の表情を目の当たりにしてドクンと鼓動が跳ね上がる。
「せんせ……」
違うの。
そんな顔させたかった訳じゃない。
そんな悲しげな顔…、違うの。
私は先生を困らせてるの?



