「だ、大丈夫です!」
慌てておでこを離すと先生の表情が少し驚いたものに変わったけれど、すぐにくすっと笑い納得したように頷いた。
「ん、ならいいけど…」
案外するりと手が離れたことにホッとしたけど、心臓がバクバクしてる。
先生の顔はいつ見ても魅力的だ。
それから二人で仲良く食事をとったものの、私は名刺について聞き出せることは出来なかった。
先生も何も聞いてこないし、特に変わった様子もなく、仕事に行く彼を玄関まで見送った。
「ご馳走さまでした。美味しかったです」
「それは良かった。未来ちゃんが喜んでくれるならまたいつでも作るよ?」
「へ?あ…ありがとうございます…」
「今日はうちでの出勤はない日だっけ?」
「はい。今日はベビーヨガのスクールに顔を出そうと思ってます」
最近そっちの方にも関心があった私は空いた日を利用して新たな勉強にも励んでいた。
それがまた楽しくて、いい意味で刺激もあり。私にとってベビーマッサージを含めこれらの仕事が一番ベストなのだとつくづく実感してる。
「そう、頑張ってね。応援してる」
先生はそんな私を見て「もうこの際助産師の資格もとっちゃえば?」なんて言ってくれるけど。それはまた一から国家資格もとらなきゃいけないわけで、学校にもちゃんと通わなきゃいけないしそう簡単なことじゃない。
「前向きに考えておきます」なんて自信なさげに言って、その場を受け流すことしか出来なかった。



