クスリと笑い声が聞こえる。
何だかドキッっした。
だって話し方が違う。
二人の砕けたやり取りはさっきから同じだが、何だろう…
どことなく違う。もやっとする違和感を感じながら、私の意識がまた鮮明に戻ってくる。
二人の距離の近さをに気付き、当たり前だけど私の知らない歴史を感じ始め。
「ごめん、やっぱり少しだけ気分が悪くなってきたわ。もう一度お手洗いに…」
だけどその時だった。
そう告げて立ち上がった素振りを見せた時、ガタッと何かがよろけ、食器がぶつかる音がした。
「……茜?」
その瞬間先生の声質が変わり、身動きする振動が私にも伝わった。
「大丈……」
「平気、ただの立ち眩みだから。気にしないで」
もう少しのところで先生の膝から私の頭がずり落ちそうになったけれど、寸前のところで持ちこたえた。
咄嗟のことで私が膝の上にいるのを忘れていたのかもしれない。
先生に悪気はない。
「もうこのままお開きにしよう。今タクシー呼んでもらうから」
「……ごめん。変な気をつかわせて……」
「別にそれは気にしなくていい。けど本当気を付けて。茜はもう少し自分の体を大事にした方がいい」
「……ん、分かってる…」



