「ごめん、彼女のペースに振り回しちゃって。疲れてない?」
「……はい」
体と体が触れ合う距離で言葉を交わす。
思わず顔を赤らめた私に先生は嬉しそうに笑う。
「顔赤いね。もう酔ってるの?」
「まだ、そこまでは……」
きっと分かってるはずなのに意地悪だ。
甘い甘い先生の眼差しは私の思考を麻痺させる。
覗き込まれた瞬間、一瞬の隙をついて唇同士が重なった。
「ーーっ!せ……」
「可愛い。また赤くなった」
コツンと額同士がぶつかり、先生の唇はほのかに日本酒の味がした。
一気に酔いが回ってくる。
「未来ちゃんも飲んでみる?けっこういけるかもよ?」
進められたのは先生が今しがた飲んだもの。
日本酒なんて珍しい。
そう思ったものの先生の唇から伝わった味が意外にも美味しく感じ、私はこそばゆい素振りで頷いた。
「あの、三島先生は……」
「大丈夫、まだ帰ってこないよ」
「何で分かるんですか?」
「男の勘かな?」
ふっと笑った彼に魅了される。
先生も酔ってるのかな?
そう思いつつ、日本酒をあまり飲んだことがないと告げると「じゃあ、飲み方を教えてあげるね」ってやっぱりとろけそうな顔して微笑んだ。



