優しく微笑まれ、思わず顔がぼわっと熱くなる。
とりあえず変に同情はされず良かったものの、私はこの表情に弱い。
見つめられると胸がきゅっと縮む。
先生に優しい眼差しを向けられるたび、それだけでトキメキが高まっていき、好きという感情が顔を出す。
「そんなに美味しいなら私も一度食べてみたいわ」
「食べるよりまず、三島先生の場合学んだ方がいいと思うけどね。誰かさんの料理は可哀想なぐらい致命的だから」
「ちょっと失礼ね。私だってあれからレベルアップしてるのよ?言っときますけど旦那(ダーリン)だって美味しいって言ってくれてるんだから」
「……えっ、三島先生旦那さんいるんですか?」
「いるわよ。アメリカで心臓外科医として働いてるわ」
そんな事実に驚いた。
じゃあなぜ?日本に来たの?
ただの日帰りや一時帰国ならまだ分かる。
けど、三島先生は暫くの間日本にいると聞いた。
しかも秀先生の病院で働くんでしょ?
「じゃあ、旦那さんも日本に帰国するんですか?」
「さぁ?彼は来ないんじゃないかしら?」
「は?それはどういう……」
「悪いけど秘密なの」
先生は教えてくれなかった。
私が聞こうとすることは分かってるはずなのに、はぐらされたままにこりと微笑み私の疑問を遮断した。手に持ったウーロン茶を口に付ける三島先生。
そんな態度に少し違和感を感じたけれど。
ほっとしてる。
彼女が既婚者だと聞いてあからさまにほっとした。



