☆お見舞いに来てください☆


「あ、はい……」


念押しで真面目に言われたら頷くしかない。

いつになく真剣な先生。
そこまで慎重になってくれのはありがたいが、反応の返しに困る。
だけど席を立ち私の隣の椅子に座り、心配そうに手を握ってきた先生は見るからに申し訳なさそうに私を覗き込む。


「少しでも嫌な思いしたらすぐに言ってほしい」

「わ、かりました……」


嫌な思いをすることなんてあるのだろうか?
素直に頷いたものの、この時の私はまだピンときていなかった。
先生の元奥さんと聞いても対して焦りはしなかった。
なぜ?と聞かれたら実感がわかなかったから。
先生が既婚者だったっていう事実がどうしてもふんわり宙の上だった。


「先生のことはす……、尊敬することはあっても嫌いにはならないので安心してくださいね」

「…未来ちゃ……」


やっぱり今日も好きとは言えなかった。
自分の弱さに嫌気がさすけれど、いざ告げようとする瞬間喉の奥が震えてしまう。

不意に抱きしめてきた先生の腕の中はこんなに温かいのに私は切なさで泣きそうになる。