☆お見舞いに来てください☆


遡ること1週間前。
食事の際、先生は急に真顔になり私に向かって頭を下げた。


「未来ちゃんごめん、もしかしたら別れた奥さんがこっちに戻ってくるかもしれない」


最初こそ理解ができなかったが、戻ってくるとは"日本に"という意味。決して先生の家ではなく、変な誤解はしないでほしいと言われたのがことの発端。


「昨日突然連絡があってね。もう7年以上関わり合いなんてなかったから正直ビックリしたよ」


携帯の方ではなく、どうやら病院に電話があったらしいのだけど。会って話がしたい。
そう言われたらしい。
ちゃんとした理由は先生もまだ分からないが、大事な話があると言われ、迷った挙げ句渋々頷いたとか。


「なにせパワフルな人だからね。ここで断ったら家まで押し掛けられそうで怖い」

「へ〜……」


そんなに凄い人なの?


「未来ちゃんにも迷惑はかけたくないし、変にゴタゴタもしたくないからね。とりあえず話だけは聞こうと思ってる」


ボーとしながら相づちを打つ私に先生の心配そうな顔が覗きこんでくる。様子を伺いながら珍しく弱気な顔だ。


「俺のこと嫌いにならないでほしい」

「はっ、え?」

「元、とはいえ別れたら奥さんに今更会うとか無神経だって軽蔑されたら困るから。俺には未来ちゃんだけだってこと。決して別れた奥さんに未練はない。それだけはちゃんと覚えといて?」