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それを目の当たりにしたのは突然だった。
すらりと伸びた脚。白く透き通り艶かしいまでに美しい顔。手もほっそりとし、見るからに美人と呼ぶのが相応しい女性。
秀先生に親しげに寄り添い笑顔を見せる姿は絵になっていて、笑うたび背中まで伸びた髪が綺麗になびく。
あ、この人だ…
すぐにそう思った。
そんな光景を私は少し遠巻きに、茫然と見つめていた。
ちょうど午後の受講を終え、今日の講習内容をファイルにまとめ、それをナースステーションに持っていく途中だった。
隣で歩く田中さんなんてそんな光景を見て興味津々に目の色を変えていく。
「ねぇ、ちょっとあの人誰!後藤ちゃん知ってる!?」
「いえ…」
一応知ってるけど知らないふりをした。
きっと私から言わなくても明日になれば嫌でも噂になるかもしれない。
だってあんな美人が先生と一緒にいるんだもん。そりゃ誰って気にもなるよ。
私だって例外じゃない。先週先生からそれとなく聞き、分かってるとはいえついつい目で追ってしまう。
普通にお似合いだなって。
さすが元夫婦だけある。
先生の元奥さんを目の当たりにして当然のように胸がざわついた。



