☆お見舞いに来てください☆


それでも前に進めない理由がある。

人生に絶対はないからだ。
物事にはいつか終わりがやってくる。

幼い頃複雑な環境で育ったせいで私には結婚願望というものがあまりなかった。
幸せになりたいと強く思う反面、自分が将来どうなりたいのかが見出だせない。目の前にもやがかかったみたいに漠然とし、脳裏に思い描くことができないのだ。

だからそうだった。



「ごめん、他に好きな人ができた」


振られるたびやっぱりなと思った。
いつもどこか遠くから冷静に物事を見定めてる自分に気付いてた。
情熱的なのは最初だけ。
優しい言葉をかけられるのも最初だけ。
人の心は脆くすぐに移ろいでしまうから、結婚したところでそれは変わらない。

生涯に一人の人を愛す。
それは私にとってとても難しく、理想の夢物語のように思えた。


「未来ちゃんが好きだよ」

決して先生を信じてないわけじゃない。
彼の誠意と誠実な人柄は信用できる。
なのに彼をちゃんと受け入れることができないのはやっぱり私が弱いから。

好きだと告げ、全てを受け入れてしまった瞬間終わりの恐怖がやってくる。
先生だって例外じゃない。

【いつかそのとき】はきっとやってくる。