カチンとグラスが重なり、シャンパンを口に含むと、まったりとした雰囲気に包まれる。
「美味しいですね」
「だね」
先生が穏やかに笑って頷いてくれる。私はまた嬉しくなっちゃって。
そうしてほどよく飲みは進む。会話を楽しみながらあっという間にボトルが一本空になると、ほろ酔い気分で気持ちはふわり、軽くなる。
すると、そのタイミングで先生が突然私との距離を詰めた。
拳2個分あった距離はピッタリと隙間を無くし、先生が私の方へと視線を向ける。
「未来ちゃん、ちょっと目を閉じてくれる?」
「え?」
一瞬身構えたけれど、「大丈夫、変なことはしないから」という彼の言葉に素直に頷いた。
何だろう。と思いながらそっと目を閉じる。
その瞬間隣の先生の気配が消えるのを感じたけど、すぐにまた今度は正面からもぞもぞと動く気配が…
「……先生?」
「よし、今から5秒数えたら目を開けていいよ」
……5秒?
不思議に思いながらも言われた通り、頭の中で123…と数を数えてそっと瞼を上げる。するとそこにはあっと驚くものが飛び込んでくる。
「誕生日おめでとう」
「えっ……」
目を開けてすぐ、視界に入り込んできたのは先生ではなく、ディズニーキャラクターの大きなぬいぐるみだった。
しかも私の好きなキャラクター。
思わず瞳がパチクリとなる。



