だけどドキドキはそれで終わりじゃなかった。
先生の甘い演出はまだこれからだったから。
「じゃあ、そろそろ帰ろっか」
「……はい」
てっきり帰るものだと思ってた。
これから車に乗り込むんだとばかり…
「こっちだよ。ほら」
だけど違った。
繋がれた手を引かれ、連れてこられた場所はパーク内にある有名ホテルだった。
驚いた私は当たり前だけどお口をあんぐり。言葉にならず、そんな私を見て先生は目を細めスマートな顔で言った。
「ごめんね。部屋取っちゃった」
謝ってはいるけど、表情からは全く悪びれたものは感じられない。戸惑う私の返事を聞く間もなくフロントで受付を済ませ、うわっと目を奪われるほどの広さと高さを持つアトリウムロビーを抜ける。
気づけばエレベーターの中へ。連れて来られた部屋はまさかまさかのスイートルームだった。
「ちょっ、うそ……」
いつの間に予約してたの?
ていうか、すごっ。
ここっていくらなの?と思うぐらいゴージャスな客室に連れ込まれ言葉を無くす。
「どうかな?良かったら一緒に泊まってくれる?」
どうかなって言われても…
これはもう半強制的だと思います。
部屋の入り口で立ち止まる。恐る恐る顔を上げるとやんわり笑った先生に「ん?」と腰を引き寄せられた。



