「出産ってこんなに感動的なものなんですね。すごく衝撃的で、興奮が収まらなくて」
「……うん」
俺はそんな彼女の一言一言を胸に止め、真っ直ぐ向かい合う。
きっと彼女は母性本能が人一倍強いのだろう。そして感受性も豊か。
今回のことで彼女は彼女なりに色んなことを学んだのかもしれない。
「命ってすごいですね」
「そうだね。唯一無二の尊き存在だからね。だからこそ女性には頭が上がらないよ。こうして命がけで新しい生命を産み出してくれるんだから」
この仕事をしてると女性の偉大さを身に染みて痛感する。
決してそれは大袈裟ではなく、かっこつけてるわけでもない。自然と沸いてくる感情だ。
「そんなっ、先生だってすごいです!その手助けをしてるんですもんっ。誰でもできる訳じゃないと思います。きっと先生だから……っ」
そう言った未来ちゃんが少し興奮し、潤んだ瞳で俺を見た。
「先生はすごいです」
「ありがとう」
面と向かって言われると恥ずかしいが、ここは素直に受け止めることにした。
妙に心が温かくなるのを感じたけど、違う言葉でそれを変えた。
「それより、未来ちゃんの方こそ大丈夫?昨日から寝てないんじゃないの?良かったら俺の使ってる仮眠室はどう?内緒で貸してあげるけど」



