可愛いな…
素直にそう思う。
そんな光景にやっぱり口元が緩んでしまいそうだったけれど、俺は冷静さを取り戻しエンジンをかけた。
「今から30分ぐらいかかるけどいい?」
「あ、はい。ありがとうございます」
そんな俺を見て彼女もやっと顔を上げた。まだうっすら頬は赤いけれど次第に平常心を取り戻していく。
「お願いします」
そうして俺は目的地まで車を走らせた。
ぎこちなかった雰囲気も初めだけ。道中和やかなものに変わり、話も弾む。
もう何度か電話や病院で話してるせいか、あまり会話が途切れることはなかった。
おまけにジェネレーションギャップというものもあまり感じることもなく、30分なんてあっという間に過ぎた。
「いらっしゃいませ」
目的地のカフェに付くと、入口で友人の坂口が嬉しそうに出迎えてくれた。
彼は俺の幼馴染。陽生以上に長い付き合いの友人だ。
「やっと来たな。しかも可愛らしい彼女まで連れてきてくれて嬉しいよ」
カフェのオーナーらしく上は真っ白のシャツ。下は黒のノータックのパンツに腰にエプロンを巻いた坂口がニヤリと笑う。
「坂口の妄想を壊しちゃ悪いけど、彼女はそういうのじゃないよ。友達だから」
「あ、と……初めまして」



