「どう?順調?」

「順調、順調」

「ユマちゃんとこの子供服は?」

「うちもわりと出だしは好調だよ」


ユマちゃんはニコッと笑い、璃子の向かいに座る。

彼女は璃子の働いているショップのフロアより一つ上の階にある子供服の店員さんだ。

しかもちょうど同じ時期の入社もあって、今じゃ一番の話し相手だったりする。


「今度また友達の出産祝いでも買いに行くよ」

「来て来て〜、私が快く接客してあげるからさ」


嬉しそうに笑うユマちゃんは璃子と同い年。

ショートカットにクリックリの瞳は今が旬の、芸能人でいうとハルっぽい感じ。

性格はサバサバしてるけど、嫌みのない言動は璃子にとってはとても付き合いやすい存在なのだ。

璃子はカレー、ユマはカツ丼を食べ終わる頃、同じく遅めの昼食に来た水嶋さんの姿が目に見えた。

璃子達と同じようにもう一人他の警備員さんと一緒にいるようだ。


「今日もかっこいい…」

「えっ?…ああ、水嶋さんか…」


璃子の視線に気づいたユマが、またかと言うような視線を送る。


「そんなにいいかなぁ、水嶋さんって何かパッとしなくない?」

「う〜ん、そう?」