「好きだよ」
「…っ……」
その言葉に振り向くと、とびっきり優しい表情をした先生と目が合った。
私を見つめる瞳は熱く潤ってみえる。
「なんかもう、無理。自分の気持ちが押さえられない。何度でも伝えたくなるよ」
こんなことは初めてだと先生は笑ったけど、私は笑えない。顔は赤くなったまま。
だってこんな先生は見たことがない。もちろん甘いセリフなんてもってのほか。
「正直に言って?俺にこんな風にされるのは嫌?」
少し力を緩めた先生が甘えるように見つめてくる。
そういう表情は反則だ。普段穏やかでしっかりしてて、10才以上も離れた大人の男の人の可愛らしい一面。こんなことされたら私じゃなくても誰だって女ならズキュンと胸が打たれちゃうよ。
「あ、の……」
「正直に教えてほしいな」
「嫌じゃ……ない、です」
穴に埋まりたいほど恥ずかしいけど、これが私の本音だ。
ーー決して嫌じゃない。
嫌ならきっともう押し退けている。
むしろ惹かれてる。この甘さに優しさに。
そう気付いた私はこの温もりを黙って受け止めとめるしかなく、潮らしく俯いた。



