先生が頭の後ろを指先でぽりぽり書いて眉を下げた。
その意味がわからずはて?と首を傾けた私だったけれど、
「たぶん、俺の一番のライバルは果歩ちゃんなのかもしれないな…」
「……えっ?」
「まぁ、いいか。とりあえず彼女を味方につけたわけだし、俺には最高の武器があるからね」
その時彼の言葉を遮るようにピコン、とまた一つメールが鳴った。
思わずそちらの方に視線を逸らすと、先生はにこやかな表情に戻り、「どうぞ」と言って私に配慮をくれる。
だけどその時、先生が一歩後ろに下がり私の背後に立つのが分かった。
それを不思議に思いながらも、再び携帯をいじろうとした私の手はビクリ、震える。
「ーーっー」
「あれ?メール返さないの?」
返さないんじゃない。返せなかった。
先生の手が背後から伸びてきて、私の鎖骨の辺りに回される。ーーぎゅっと抱きすめられた。
その行動に3秒ほど思考が真っ白になりかけたけど、すぐに我に返った私は「先生っ」と焦った声を上げた。
「ちょっ、……えっ?」
「ごめん、少し充電させて?」
先生の唇が耳元に寄せられて、囁くように言われる。
く、くすぐったい…
それより何よりもゾクリとする感覚が私の中で生まれ、体を硬直させる。



