「宜しくお願いします」
そう返事をするとこれ見よがしに先生が嬉しそうに微笑んだ。
先生が笑うとホッとする。
目尻にくしゃっとよる皺は何だが可愛らしく。
まるで心をまるごと癒してくれるみたいに安心感を与えてくれる。
きっと患者さんもさぞ癒されてることだろう。
「良かった。これをチャンスに未来ちゃんとデートらしいデートをしてみたかったからね」
ふわっと彼の手が私の頭に触れる。
そのままサラサラと撫でられるとポッと顔に集中するように熱が集まってくる。
「あ…、でも仕事は大丈夫ですか?」
「もちろん。月末は臨時の先生も二人入るし、久しぶりにちゃんとした休みがとれそうなんだ。たまには俺もゆっくりしなきゃパンクしちゃうよ」
「だったら尚更お家でゆっくりしてた方が……」
「未来ちゃんと一緒にいれることが何よりの癒しだから大丈夫だよ」
「………」
先生は私をからかって遊んでいるのだろうか?
これが素なの?
そして顔はご想像通り。
ゆでダコのように湯気でも上がってそうな熱気が。
それを見て先生が楽しそうに目を細めるから、もう"圧倒"という言葉しか出てこない。
ーーその時、
机に置いてあった携帯がピコンと音をたてた。
それはついさっきいじっていた私のもので、我に返った私はあっ…と意識をそっちへと移す。



