「やっとだよ。こうして未来ちゃんの手料理を食べられる日がくるなんて幸せだなぁ」
「お、大袈裟ですよ」
先生の素直すぎるリアクションに当たり前だけど赤面する。
彼が本当に美味しそうに食べるから、見てるだけでお腹いっぱい。
心の中がくすぐったくなる。
「掃除も上手だし、絶対いいお嫁さんになるよ。将来旦那さんになる人が羨ましい。俺も頑張らないと」
「………」
ダイレクトすぎる発言に何をどう返したらいいのか分からない。
まだ目の前のご飯を一口も食べてないのにも関わらず、体が異様なほどぽかぽかする。
「あ、と…、それでですね」
あわあわと話の流れを変え、私は今日あった雅也とのことを先生に報告した。
彼と正式に別れられたこと。
合鍵もちゃんと返してもらえたことを伝えると、先生はとても安堵したように頷いた。
「それは良かった」
「それで…ですね。今後私はどうしたら…」
雅也とも別れ、合鍵も手元に戻ってきた今私が今こうして先生の家にいる意味が無くなってしまった。
私のアパートは契約者が不在の誰もいない状態。それなのに家賃は毎月払わなきゃいけないわけで。
少しもったいないなぁ、と思いつつ、私はこのまま自分のアパートに帰った方がいいのか訪ねると、先生の箸が急に止まり、無表情な顔を向けられた。



