「まぁ、そんな感じなんでお前も頑張れよ。俺が言うのもあれだけどあの先生とちゃんと向き合わないと損するぜ」
「分かってるから」
よく分からないが最後は励まされた。
お互い様を理由に何だか変な連帯感。
完全に吹っ切った態度を見せられて、逆にこっちが拍子抜けしてしまった。
「でもさ、未来と付き合った1年は何だかんだ楽しかった。サンキューな」
「うん、私も…」
色々あったけれど、笑顔で別れられて気持ちがスッキリした。
お調子者だけど憎めない性格。
笑うと愛嬌があって、場の雰囲気が和んで…
そんな彼との恋愛がようやく終わりを迎え、私の心は寂しいと言うよりどことなく晴れやかだった。
※※※
その日の夜、1週間ぶりに早くお家に帰って来た先生に私は手料理を振る舞った。
疲れてる先生の為にこれぐらいはっと、感謝を込めて。
この家に引っ越してきてから掃除や料理、家事全般はできる範囲で私がやります、と引き受けたのだけど。
なかなかタイミングが合わず、一緒に食事をするのは今日が初めて。
「すごく美味しいよ」
今日は定番の肉じゃがにさばの味噌煮、ほうれん草のお浸し、味噌汁という和風テイストだけど、そんな料理を目の前にして先生は本当に嬉しそうな顔をしてくれた。



