☆お見舞いに来てください☆


先生の家に着いた初日、彼は不安そうにする私に色んな話をしてくれた。

私を安心させるよう一定の距離を保って私に笑いかけてくれて。

その中で先生は7年前に一度、離婚の経歴があると教えてくれた。

それは私達が知り合って初めて知る事実で、さすがにビックリしたものの、よく考えたら先生は今35才。

性格もいいし、ルックスも抜群。
ともなれば絶対もてるだろう。今までそういうことがなかった方のが逆におかしい。


「ごめんね、今まで隠してて。バツイチのおっさんでがっかりした?」

「いえ…、それはぜんぜん」


完璧な人生なんてない。

人にはそれぞれ言いにくいことがあるものだ。
それぐらいは分かるし、自分にもある。

だからあの時、先生は一度失敗したと言っていた。

それをわざわざちゃんと口にしてくれたことに先生の誠意を感じる。


「どうして別れちゃったんですか?」


深く聞き込んでもいいのか迷ったけど、気になった私は結局素直に聞いた。

すると先生は嫌な顔せず答えてくれて。


「まぁ、一言で言うと生活のすれ違いだよ」


お互い産科医でほとんど休みが合わず、まともな夫婦生活ができなかったのらしい。

気づけば結婚生活は1年で破綻。

仕事熱心だった彼女はアメリカにいる友人の勧めで仕事の拠点場所を変え、そちらに移住してしまったらしい。