☆お見舞いに来てください☆


「泣いてもいいよ。俺の前でならいくらでも」


行動とは裏腹に、先生の声はとても優しい。

それに感化されるように私はうっと涙を落とす。


「だけどこれからは俺の前だけにして。他の男の前でそんな顔見せないで」

「せんせ……」

「好きなんだ。もう誰にも渡したくない。ゆっくりでいい、これからは俺のことを考えて?」


優しく頭のうしろを撫でられて、感情が高揚する。

けっして嫌な訳じゃない。

だけど素直に頷けない臆病な自分がいる。


この日、私がした選択はあっていたのだろうか。

それがわからないまま、先生の優しさに流され、甘えてしまった私はきっとずるい。

だけど不思議とこの腕の中から出たいとは思わなかった。



「なるようになってみたら?」


三月さんの言葉が思い浮かんでは消える。


一歩前に…

何かを変えてみたい。

そう思った私に少しの希望を。

彼なら変えてくれるのかもしれない。

そんな思いの中、私は彼の運転する車に乗り込んだ。