二人の側に駆け寄ると、雅也がひどく疲れたような顔をしていた。
さっきの勢いが嘘のようで、一体何があったの?
と思うぐらい緊張の面持ちで声を掛けようとしたら、秀先生によってそれはかき消された。
「お帰り未来ちゃん。早かったね。もう荷造りは終わったの?」
雅也と比べ、先生はさっきと同様顔色を変えず涼しげな表情だ。
それを見た私は余計に不安な表情を向ける。
「あの……」
「未来、本当に出て行っちゃうわけ?」
しゅんと項垂れるように見つめられてビックリする。まるで捨てられた子犬のようだ。
「……雅也?」
「こんなあっさり、もうこれで終わり?」
思わず手を伸ばしそうになった自分にハッとする。
全部彼が悪いと言わない。私にも非があったのは認める。
けど浮気したのは雅也。先に裏切ったのは彼の方なのに、まるで私の方が悪いことをしているような胸の痛さ。
それぐらい今の雅也には破棄がなく、弱々しい態度につい、戸惑いの視線を向ける。
「この先生のことが好きなのか?」
「そ、れは……」



