☆お見舞いに来てください☆


腕時計を確認すれば時刻は夜の9時を過ぎたところだった。

普通に雅也が仕事から帰ってる時間帯なわけで、同僚や友達と飲んでなければ確実にアパートにいると思われる。

これってやっぱりそういう意味?

鉢合わせしちゃうよね?

もしかして、先生はそれを狙っているの?


「未来ちゃん」

「……はい!」


急に呼ばれて不自然な声を上げてしまった。

何を言われるんだろう。

あからさまに強張った顔を向けてしまった私に、先生はまったく予想外なことを聞いてきた。


「未来ちゃんってさ、何で果步ちゃんのことまだ旧姓の名字で呼んでるの?」

「へっ?」

「いや、実はずっと気になってたんだよねぇ、あの二人が結婚してかれこれもう4年だし、ふと何か理由でもあるのかなって?」


そう言われ、えっと顔を上げる。


「へ、変ですかね?」


そう言えば…と、私もハッと気づく。

確かに何でだろう…。と思ったけど特に深い意味はない。

彼女とは学生時代からの付き合いで、ずっとそう呼んできたこともあり、妙にそれが定着してしまったから。