もしかして、それを分かってて今日先生はこんなことを……?
思わず先生の顔を見つめる。
さっきよりも幾分気の抜けた表情をしていて、それがちょっと可愛い。
そんな姿を見たら何だか胸の奥がむずむずとする。
「よし、それじゃあ次は第2の関門を突破しに行こうか?」
「………?」
彼の潔い声に、ん?てなる。
ますます何?と言うような顔を向けると、彼はとっても意味深い顔をしてエンジンをかけた。
「もちろん、未来ちゃんのアパートにね」
それからの記憶は曖昧だった。
呆然とする中、もう何度か送り迎えをしてもらってるせいか、とてもスムーズな運転で私のアパートまでたどり着いた先生の車。
彼の外車は高級車なだけあり、とても静かでシートの感触も滑らかなのに、私の鼓動は正反対に騒がしい。
程よい音量で流れてる私の好きなBGMも今はまったく居心地のいいものに聞こえない。
むしろ恐ろしい。これから訪れる波乱の挿入歌のような気分にまで思えてしまう私はかなりの余裕が減っている。



