「私はどうしたら……」
「そんなの、なるようになってみたら?」
「未来ちゃん、もう分かってるとは思うけど、あいつは友達の俺から見てもいい男だと思うよ」
三月さんと椎名先生の言葉が交互に飛びかってくる。
そんなの分かってる。分かってるけど、はいそうですかって、簡単に決められたらそれこそ苦労はしない。
「だって秀先生は一応友達だし……」
「ほら、その変な固定観念を1度リセットしなさいよ。そう思ってるのは後藤だけなんだから」
「…でも……」
言葉を濁すと三月さんがこれ見よがしにやれやれと肩をすくめた。
「別に体から始まる関係もありだと思うけどね。悪いことばかりじゃないよ。それで何か感じて分かることもあるかもしれないし…、ねぇ陽生?」
「えっ?」
突然ふられた先生が不意を突かれた顔をしたけれど、三月さんを見つめた後すごく幸せそうな顔をした。
「ま、そうだなぁ。俺達がその見本ってやつ?」
「今思いだすとさ、その当時は本当にうざかったし腹が立ったけどさ。ほら、今じゃもうすっかり丸くおさまっちゃってるし」
それを聞いて椎名先生が少しばかり心外だという顔をしたけれど、彼女を見つめる視線はとても優しい。
「俺ってそんなにうざかった?」
「かなりね」
椎名先生は軽いショックを受けている。
そんな姿を見てはは、と思わず小さな笑が漏れる。



