「なら…いい?俺的にはこのまま未来ちゃんを口説きたいんだけど」
「えっ……」
「本気で未来ちゃんを落とそうと思うから、覚悟してくれる?」
「…せ、せんせっ……」
目を見開く私に先生はそう言って立ち上がった。
アーモンドアイの瞳を真剣に細めたかと思ったら、緩やかに口元を上げる。
「もう、遠慮はしないから」
「えっ……」
「未来ちゃんは俺が貰う」
そう言ってにこやかに微笑んだ彼に圧倒され、私は何も返せなかった。
ただ仰天し、言葉を失う。
信じられない気持ちでそんな彼をまじまじと見返すと、先生は突然スラックスのポケットから音が鳴り響く携帯電話を素早く取り出した。
「残念、タイムオーバーだね。病院からの呼び出しだ」
名残惜しそうに私を見つめながら、何故か携帯に出ることを一瞬躊躇い、もう一度私に向かって凛とした口調を見せる。
「最後にこれだけは覚えといて、俺は本気だから」
「っ……」
「とりあえずまた明日、同じぐらいの時間に迎えにくるから、荷物まとめて待ってて」
そう言って私から背を向けた。



