「謝られたら余計惨めだよ」
「あ……」
「そうだな。謝るぐらいならもう逃げないでくれる?俺のことちゃんと考えてくれたら嬉いんだけど」
先生が椅子ごと私の方へと身を寄せた。
苦笑いを浮かべたまま私の手を握り、「さて、どうしようか?」と意味深に顔を近付けてくる。
「ねぇ、一つだけ確認してもいい?」
その距離が近すぎて、うっ…と引き気味な受け方になってしまった私。
「彼のことはもう本当に何とも思ってないの?好きじゃない?」
その言葉を聞いてほんの若干の間をおいてしまったけれど、私の意志はもう決まってる。
ここで嘘をついてもしょうがないし。
自分自身にもけじめをつけるように今の私の気持ちをしっかり言った。
「もう…、好きじゃない」
「ーーそう、なら良かった。だったら話は早い」
先生は満足そうに笑い、もう片方の私の手もぎゅっと握りしめた。



