「じゃあ、やっぱり頂こうかな」
「ぜひぜひ」
そうして戸惑う私をよそに料理は並べられ、気まずい雰囲気満載の食事が始まった。
とは言ってもそう思ってるのは私だけなのだけど、
何も知らない椎名先生は一旦自分の自室に入ったのち、スーツの上着とネクタイを外した格好で彼は自然の流れのように三月さんの隣に座る。
私は黙ったまま、一言も声が出せなかった。
「おお、うん。美味しいよこれ、未来ちゃんまた料理の腕あげたんじゃない?」
「……あ、ありがとうございます」
「な?秀もそう思うだろう?」
「ああ、すごくね。美味しいよ。未来ちゃんの恋人になれる人はきっと幸せものだね。立候補したいぐらいだよ」
「ーーー」
ドキリ、顔が強ばった。
しゃ、洒落にならない。
例え社交辞令だったとしてもハラハラドキドキ、秀先生の方を見られない。
三月さんはというと、そんな私達のやり取りを静かに笑って観察しているようだった。
「ん?未来ちゃんどうかした?」
「………いえ」
やっぱりぎこちない返事になってしまった。
でもそうか、そうくるか…。
私としたことが、こうなることは完全にノーマークだった。
この緊張感どう落ち着かせたらいいか…
私は異様な緊張感のもと持っていた缶ビールを口に含む。



